2021年4月3日 初出
先日、ブラウザをBraveに乗り換えました。
私の場合、Webアプリケーション関係の仕事をしているために複数のブラウザを使うことはよくあり、また、なんとなくで使うブラウザを変えている節もあります。 が、このように報告している以上はなんとなくではありません。
以下、これまで使っていなかった理由と、今変えた理由について記します。
Braveブラウザは広告ブロックができる代わりに、クリエイターに対して直接金銭支援ができる機能を設けています。その際に使われるのが暗号通貨(仮想通貨)のBasic Attention Token (BAT) です。 しかし、法定通貨(一般的な貨幣)であれ暗号通貨であれ、送金業務が絡むというのは日本国内では資金決済法に則る必要があります。このため日本国内ではBraveブラウザの機能が従来一部制限されており、ポテンシャルを発揮できていないように感じられていました。 しかし、そのような状況も昨年までにbitFlyerとの提携により解消され、現在では日本国内ユーザーもフル機能を利用できるようになっています。
きっかけは、ガジェット情報サイト「すまほん!!」の公式Twitterのツイート。 Google Adsenseが自動最適化の一環で、ページ遷移をインターセプトする広告表示を導入していたというものです。
掲載サイト側の同意を得ていたならまだわかりますが、エンドユーザーに対してフラストレーションを与えるためにサイト全体の評価に関係しかねないことを、サイト管理者の明示的な同意を得ていない段階で行うのは、ちょっと違うと思います。効果2割増とされ、一見サイト運営者(媒体側)のためになるように見えて、なってません。
私のスタンスとしては、Web広告そのものを否定しません。また、アクセス解析システムによる実行環境の情報収集も基本的には許容しています。 しかしながら、広告は内容によって勝負すべきであり、ソフトウェア開発における原則の一つである「驚き最小の原則」の観点から、ユーザーの予測した振るまいを妨害する広告に対しては賛同しません。
例えば、映像媒体における広告について考えてみます。
上記で問題があると書いた「ニコ割」は、2020年2月をもって、イベント開催時を除いて廃止されています(※2)。多くの要望によりということで、ニコニコ動画はアクティブユーザーが減少しつつある中、カスタマーサティスファクションの観点から問題があると認められたのでしょう。
一般的なWebページにおいては、ユーザーの予測した振るまいを妨害する広告とは例えば、スマートフォンにおけるスクロール操作に対して「誤ってタッチされかねない」、例えばモーション効果が付いた広告や、全画面表示されて閉じるボタンを押さないとページ内容が見えない広告などが挙げられます。ページ遷移をインターセプトする広告は、まだ広告を閉じる操作がわかりやすいためこれらよりはましとはいえ、ページ遷移されるという期待動作に対してページ遷移する前に広告が表示されることから、読者にとっては妨害には変わりありません。
GoogleというWeb広告においていま最も影響力がある会社が、そのような広告を実施することにためらいがないということを見せつけられたので、今回広告を自動ブロックするブラウザをメインに据えようと考えた次第です。
Footnotes